画像生成AIを使い始める最初の一歩は、驚くほど軽いものです。
アカウントを作成し、簡単な言葉を入力するだけで、数秒後には、
息を呑むような美しい風景や、緻密に描かれた人物像が目の前に現れます。
基礎訓練も、高価な機材も、長年の下積みも必要ありません。

「夕焼けの海」「未来都市」「かわいい猫」
この程度の言葉でも、一定水準の画像が出力されます。

それはこれまでの「作る」という行為とは、まったく異なる体験です。

従来であれば、こうしたビジュアルを作るためには、
ソフトの操作スキルなど複数の専門技術が必要でしたが、今は違います。
言葉を入力するだけで、それらの工程をすべて飛び越えた結果に触れることができる。
そして、初心者が最初に触れたときの感動はみんな同じです。

多くの人が「これでデザインやイラスト制作は変わる」と実感します。

* * *

でも、しばらく使い続けると、ある違和感が生まれます。
最初は魔法のように感じたツールが、徐々に扱いづらい存在に変わっていきます。

最初は気にならなかった小さなズレが使えば使うほど、そのズレに敏感になっていきます。

初期の熱狂から冷めた後、全く同じ分厚い壁に激突します。
そして、ここで多くの人が一度足を止めます。
なぜなら「何となく綺麗な画像」を出すことはできても、
「本当に欲しい、意図通りの画像」が生成されないからです。

いくらプロンプトを打ち続けても、AIが思うように指示に従わない時に、
ここで多くの人が誤解します。

「AIの性能がまだ足りないのではないか」と。

しかし実際には、問題はツールではありません。
問題は、その画像生成をコントロールする人にあります。
狙った成果を安定して出せるようになるには、新しいスキルが必要になります。
それは従来のデザインやプログラミング教育とも異なる、新しい領域です。

最初は感動する。でも、一歩踏み込んだ途端に行き詰まる。
ここに、画像生成AIの本当の難しさがあります。
この事実に気づけるかどうかが、最初の分岐点になります。
AIの導入はゴールではなく、果てしない試行錯誤の入り口に過ぎません。

では、画像生成AIは「使い始めるのは簡単」なのに、
「なぜ、使いこなすのは難しい」のでしょうか?

続く・・・